あなたの逢いたかった人は誰ですか?
最近短歌集になってるけど、今回も流れで一首
「瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に逢はむとぞ思ふ」
川の瀬の流れが速く、岩にせき止められた流れが二つに割れ、また一つになるよう、たとえ今は離れてももう一度あなたに逢おうと思う
有名すぎる崇徳院の歌ですね 百人一首の77番目の句でもあります
百人一首の中で一番好きな歌です
激しい恋の歌、に思えますが崇徳院を紐解いていくと違う見え方もあると思うのです
崇徳院は鳥羽天皇の第一皇子 実は白河上皇との子どもではないかと噂があったとか 5歳で帝位につきますが、白河上皇が崩御した後は、鳥羽上皇により異母弟に譲位させ、その天皇が夭折すると、今度は同母弟を据えます そうやって崇徳院が政権を継ぐ可能性をつぶしていったわけです
その後保元の乱が起き、讃岐に流され世を呪いながら亡くなったとか
たしか血で書いた情熱的?な手紙を送ったとかなんとか
そんな悲惨な人生を送ったお方 死後は怨霊となります
そんな方の短歌
歌の意味は分かります
ただ崇徳院がもう一度逢いたかったのは誰だ?って思うのです
普通に読めば恋する相手 ですが呪っちゃうくらいある意味凄い愛憎を抱いていた家族ともとれるとも思うのです 今は袂をわかった相手ですが、いつかお互いが歩み寄り、仲良く過ごせないかという思いもなかったとは言えません それがこの歌に込められたとも思えるのです
他は都への思いですね 今は流されてこの地に居るが、いつかは帰りたいという思いともとれます
その本当の思いは崇徳院にしか分かりませんが、今この歌を詠む私たちはただただ思いをはせるしかありません
なのでちょっと聞いてみたいのです
「あなたの逢いたかった人は誰ですか?」
答えは永遠に分かりませんがw